日本におけるデモシーン(メガデモ)文化とは? 中編

2019年7月4日DEMOSCENE,デモシーンとは何か

前編の記事では日本で唯一開催されているオフラインデモパーティである、Tokyo Demo Festに到るまでの歴史について解説しました。

今回の記事では2011年の初期Tokyo Demo FestからTokyo Demo Fest 2014に至るまでを網羅したいと思います。

この記事も自身(@FL1NE)の知識とかによって書かれるので、間違いがあるかもしれません、そう言ったことに気づいた方はページ最下部のコメントもしくはTwitterDiscordなどでお問い合わせください。

 

前回の記事はこちらからどうぞ。

 

 

国内最初のオフラインデモパーティ「Tokyo Demo Fest (東京デモフェスト) 2011」

公式サイト | Pouet | Demozoo

↑ SystemKによるTokyo Demo Fest 2011 Invitation

2010年の12月あるデモが公開されました。

それこそが全ての始まりであるTokyo Demo Fest 2011への招待デモ(インビテーション)でした。

初音ミクが歌う音楽と東京スカイツリーなど現代を象徴したかのようなインビテーションと日本初のデモパーティを知らせるWebサイトが公開されました。

当時の運営はSystemKのkioku氏とnonoilのq氏の二人でした。

↑Tokyo Demo Fest 2011で公開されたpirates of the 777 seas – Razor1911

筆者自身はTokyo Demo Fest 2011の開催後に、当時一番好きだったデモグループであるRazor1911による上のデモを見て、それがTokyo Demo Fest 2011というもので3位を獲得したと知り、「Tokyo Demo Fest」の存在を知ることになりました。 (つまりこの作品は人生を変えたかもしれない)

この記念すべき日本最初のデモパーティはパーティというよりも勉強会形式で開催され、前半はセミナー中心となる「メガデモ勉強会」と後半のメガデモ上映とコンポが中心の「メガデモ鑑賞会」という2部構成で行われました。

参加人数も50名に満たない程度という小規模だったそうです。

(あ、TDF2011の写真持っている方いましたら、掲載させてください。。。)

 

 

海外のデモパーティ(the Ultimate Meeting 2011)での日本人グループの優勝

↑ the Ultimate Meeting 2011 High End Demo Compoで優勝したSystemKとEldoradoによるTokyo Demo Fest 2012 Invitation

ついに日本人グループが海外のデモパーティで優勝の快挙が成し遂げられました。

このデモでは秋葉原の街並みなどが再現され、非常に素晴らしい出来の作品となっております。
筆者お気に入りの一つなのでまだ見てない方は是非。

 

 

2回目の挑戦Tokyo Demo Fest 2012

公式サイト | Pouet | Demozoo | Slengpung

この年のTokyo Demo Festは、本場のデモパーティ同様にオールナイト(24時間以上ぶっ通し)で行いました。
イベントの様子はデモパーティの写真投稿サイトであるSlengpungにて確認できます。

場所は秋葉原にあるMOGURAというクラブで開催され、大音量で大迫力のデモ上映が行われたり、現在流行りつつあるGLSLシェーダーのライブコーディングイベントなども行われたりした他、デモシーンのドキュメンリー番組であるMoleman2のプレミア上映などが行われ大盛況でした。

↑ Tokyo Demo Fest 2012 PC Compoで優勝したReputeless氏によるThe Sky Is Wide Enough
この作品はReputelessが開発しているC++の描画フレームワークである「Siv3D」で作られました。

筆者はこのTokyo Demo Fest 2012が初めて参加したデモパーティでした。
(この時に運営メンバーと仲良くなり、2013からオーガナイザーとして参加することになる)

当時の運営メンバーの話によると、コンセント周りが埃かぶっててコンポマシンの電源がショートして壊れたりと、結構ハラハラする年だったそうです。

参加人数は80人以上に増えてきましたが、この時はまだ勉強会感が抜けないのか突然「AMIGAAAAAA!!」とか叫ぶ人も上映中に歓声をあげる人もいませんでした。 (結構悲しい感じだった)

 

 

Revision 2012での日本人による作品リリース

↑ Revision 2012 PC-64k intro compoで発表されたSCOTTIE – nonoil & SystemK

世界最大のデモパーティであるRevision 2012で発表された、64KB Intro。
System Kとnonoilという当時ではかなり最強なタッグにより作られました。

結果は9作品中6位でした。

 

 

歯ブラシ勉強会

2012年にはTokyo Demo Festの他にも伝説的なデモグループである「Farbrausch」が過去に作成した作品のソースコードなどをGithubで公開したことにちなんで開催された勉強会です。

歯ブラシ勉強会という名前なのは、Farbrauschを発音しようとすると「ファーブラッシュ」みたいな発音となり、誰かが「歯ブラシ勉強会」でよくねと言ったことでそんな名前の勉強会となりました。

 

 

ハンガリーのデモパーティFunction 2012で日本人グループの優勝

↑ ハンガリーのデモパーティFunction 2012でリリースされたCandy(Tokyo Demo Fest 2013 Invitation) by nonoil & goraku

なんと、今度は世界的に有名なハンガリーのデモパーティFunctionにてTokyo Demo FestのInvitationデモが優勝しました! (PC-64K Intro Compo)

これでPC-DemoもPC-64K Introも日本人グループによる海外デモパーティ優勝という快挙が達成されました。

 

 

Tokyo Demo Fest 2013

公式サイト | Pouet | Demozoo| Slengpung

Tokyo Demo Fest 2013は会場が変わってアンスティチュ・フランセ東京というフランス語学校の中で行われました。

 

SONY DSC

この年はスクウェア・エニックスによるセミナー「Agni’s Philosophy ~リアルタイム映像技術の未来~」や

 

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Unityでデモを作るためのワークショップなども行われました。

 

↑ Combined PC Demo Compoの優勝作品 artifacts – illogictree

この作品は現在では、各種VRゲームを手がけているFunktronic LabsEddie Leeさんによって作成された作品です。

この作品は3DCGの有名サイトであるGeeks3Dでも取り上げられたり、SIGGRAPH 2013のReal-Time Live!でも取り上げられたりしました。

↑ Combined Intro Compoの優勝作品 Coacervate complex – 0x4015

 

↑ Wild Compoの優勝作品 SN4KE – n.h.k.

 

PC Demoの他にもこの年は0x4015氏による4K Intro作品や、n.h.k.による4KBの3Dスネークゲームなどと素晴らしい作品たちが多数リリースされました。

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また会場には約120名もの参加者が訪れ、ライブ映像を見るとこの年あたりから徐々に歓声が上がったりするようになってきました。
(非常に良い状態)

ちなみにこの会場で売ってるピザとかがメッチャうまい!

 

 

Tokyo Demo Fest 2014

公式サイト | Pouet | Demozoo

↑ TDF 2014へのインビテーションデモ break over ~tokyo demo fest 2014 invitation~ – SystemK & RTX1911 (筆者が音楽担当[名前が古い])

 

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2014年のTokyo Demo Festは2013年と同じ会場で行われました。

 

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この年はオールドスクールカーニバルという名でAmigaやMSXなどのオールドスクールコンピューターなどが設置されていたり。

 

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Oculus Rift (DK1)でのシェーダーライブコーディングについてのセミナーなどが行われました。

 

↑ Combined PC Demo Compoの優勝作品 G – Level One – Ctrl-Alt-Test

 

↑ Combined PC Demo Compoで2位を獲得した Stochastic Process – cocoon

 

この年はエントリーが少なくIntroとDemo合わせて6作品だったのですが、Ctrl-Alt-Testやcocoonと言った世界的に有名なデモグループによる作品がリリースされ、非常にハイレベルな闘いが繰り広げられました。

screenshot added by mitsuman on 2014-03-25 16:15:21

↑ 7 Lines GLSL Graphics Compoの優勝作品 TDF4 – mitsuman

Demo作品は少なかったのですが、新設された7 Lines GLSL Graphics Compoという7行 (80×7 = 560文字)のGLSLシェーダーにて絵を描く部門にて19作品ものエントリーがありました。

2014は約100名の来場者が訪れました。 (2013より少し減ってしまった)

 

 

後編に続く

後編ではTokyo Demo Fest 2015から現在までを描く予定です。

 

 

国内のメガデモ関連サイト

Tokyo Demo Fest (2011年から開催されている日本唯一のデモパーティ)

メガデモ [ MEGADEMO ] ダウンロード (国内の老舗メガデモ情報サイト)
[更新停止中]

demo99 (国内の老舗メガデモ情報サイト) [2019年現在も更新中]

2chParty (サイト消滅)

demoscene.jp (サイト消滅)

 

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