日本におけるデモシーン(メガデモ)文化とは? 前編

2019年5月22日

前回の記事でデモシーンとはそもそも何なのかということと、デモシーン文化の成り立ちなどを説明しました。

思ったよりも大勢の方にみていただいているようでありがとうございます!

今回は日本国内に置いてのデモシーンカルチャーについて自分(@FL1NE)の知ってる範囲でまとめておきたいと思います。

 

前回の記事をまだ見てない方はこちらからどうぞ!

デモシーン(メガデモ)とは何か?

 

メガデモとデモシーン

国内に存在する伝説のメガデモ情報提供サイト「メガデモ [ MEGADEMO ] ダウンロード」 (2005年に更新停止)
日本だと「デモシーン(Demoscene)」という言葉よりも「メガデモ(Megademo)」という言葉の方が多くの方に知れ渡っています。

では一体この「メガデモ」という言葉がどこからきたのかというと、伝説のコンピューターである、コモドール社のアミガ(Commodore Amiga)が使用するフロッピーディスク(880KBという1MB以下の容量)に収まるサイズの秀逸したデモ作品がたくさん発表されたことに由来します。

これにより1MB以下の作品などを指してメガデモと呼ばれるようになるのですが、日本国内で話題になる作品が1MB以下のものが多かったためか、日本国内に置いてのみデモシーンの文化そのものや、デモ作品を指してメガデモと呼ばれるようになりました。

 

 

日本でデモシーンはどのように伝わったのか

下北沢にあるAMIGAの看板

日本では前回の記事で紹介したように家でコンピューターを使って遊ぶといったことが少なかったことと、当時のデモはコモドール64(Commodore 64)やZX Spectrumなどといった日本では普及しなかったコンピューターで作られていたのに対して、日本ではNECのPC-8801シリーズなどの海外では普及していないコンピューターが使用されていたことがあったためか、日本では1985年ごろまでデモを見る環境すらなかったため、そこまで流行らなかったようです。

 

↑ 有名なAmiga用ソフトウェアSculpt 3Dに付属したJugglerデモ

↑ State of the Art – Spaceballs

↑ 9 Fingers – Spaceballs

しかし、1985年ごろからヨーロッパのデモシーン界隈で爆発的な人気を誇ったコモドール社のアミガ(Commodore Amiga)が日本の3DCGアーティストなどを中心にいくらか普及し、それとともにアミガのデモである「Juggler」やSpaceballsのState of the Artや9 Fingersなどが話題となります。

 

MSX Unleashed – Dvik & Joyrex [2006]

日本にもMSXを始めとしたコンピューターがありましたが、デモ自体が作られることは多くなかったようです。

しかしながら海外で開発されたMSXやアミガのデモ作品を各種コンピューターマガジンが紹介し、様々な人々の目に触れることとなりました。

こうした背景から日本にもデモシーン(メガデモ)文化が少しずつ浸透し始めることになります。

 

 

日本における初期のデモシーン文化と最初のデモパーティ

↑ 日本最初のメガデモ Golden Weeds Project – Super Reality

追記 2019/05/27 : System Kのkioku氏によると日本最古のデモはGolden Weeds Project(現 : SurgeSpace)によるSuper Realityでした。

よっ日本一

 

↑ デモグループInfがThe Party1998で発表したMS-DOSデモ
Yume 2  (1998)

自分が記憶している中で日本のグループによって作られデモパーティで発表された最古の作品はInfによるYume 2です。

当時、最大のデモパーティであったThe Party 1998のPC-Demoコンポにて音楽としてJ-Popな曲を使用した日本らしい作風で4位を獲得した作品です。

 

(追記 2019/05/27 : Eldoradoのgot氏曰く、INFはメンバーの一人であるtmkさんがノルウェー人と日本人のハーフなだけで日本のデモグループというよりはノルウェーのデモグループだったらしいです。

 

↑Pouetに登録されている日本グループのデモ phormula – Radium Software

また、デモパーティ関係なしに日本のグループが発表した最古であると思われる作品はRadium Softwareのphormulaだと思われます。

(追記 2019/05/27 : Golden Weeds Projectが発表したSuper Realityが日本国内における最古のデモでした。)

 

Eldoradoによって作られた2chParty05 Invitation

↑YouTubeの動画がなかったので、気になるかたはこちらからダウンロードして動かしてみてください。 (Windows 10で動いた)

やがて、日本国内でデモパーティを開催する機運が高まり、2001年に日本最大級の掲示板2ちゃんねる(現在の5ちゃんねる)の有志が開催したオンラインデモパーティ「2chparty」開催されます。

 

2chparty 2006で公開されたn.h.k.によるRed Alert

↑YouTubeの動画がなかったので、気になるかたはこちらからダウンロードして動かしてみてください。 (Windows 10で動いた)

2chpartyは2001年, 2005年, 2006年, 2009年と不定期に開催され数個のデモ作品が集まりました。

 

↑ SystemKによってNVIDIA主催のデモパーティNVScene 2008で発表されたデモ Life on Air (筆者が好きなデモの一つ)

2000年代後半になると2chpartyにも作品を出していたSystemKのkioku氏がNVIDIAが主催するデモパーティNVSceneや世界最大のデモパーティRevisionの前身であるBreakpointなどに参加するようになります。

 

kioku氏も参加していたBreakpoint 2009にて伝説の4K IntroであるElevatedが発表され、国内のニュースサイトにも取り上げられたりとデモシーンが話題となります。

 

その影響もあってか、2chの掲示板などでオフラインでのデモパーティ開催の機運が高まりました。そしてそれが2011年に実現します。

 

 

中編に続く

中編に続きます。

 

 

著者について

Tomoki “FL1NE” SHISHIKURA

Twitter (@FL1NE)

FRONTL1NEのサイトそのものとコミュニティを運営している人。

2012年にTokyo Demo Fest 2012へ参加した後、2013年よりオーガナイザーとして運営チームに合流し、翌年の2014からTokyo Demo Festのコアオーガナイザーとして来場者が最高に楽しめるデモパーティを目指して頑張ってます。

自分とデモシーンの出会いなどについては別で記事にする予定。

 

 

国内のメガデモ関連サイト

Tokyo Demo Fest (2011年から開催されている日本唯一のデモパーティ)

メガデモ [ MEGADEMO ] ダウンロード (国内の老舗メガデモ情報サイト)
[更新停止中]

demo99 (国内の老舗メガデモ情報サイト) [2019年現在も更新中]

2chParty (サイト消滅)

demoscene.jp (サイト消滅)

 

変更履歴

2019/05/22:  Radium Softwareについて追記